林業経済学会2014年春季大会シンポジウム

1.日程・会場等

2014年3月30日(日) 9:00~18:00(17:00~定期総会) 
会場:東京大学農学部弥生講堂(一条ホール:農正門入って右)
  9:00 開会
  9:10 大会報告(45分x4、途中休憩10分)
 12:20 コメント
 12:35 休憩
 13:40 質疑、討論
 17:00 定期総会
 18:00 懇親会

大会参加費:
一般会員1,000円、学生会員500円
懇親会費:一般3,500円、学生1,500円

2.シンポジウム概要

大会シンポジウム統一テーマ : 国立公園の新たな管理へ向けて-ニーズの変容と制度的対応-
シンポジウム登壇者および論題(一部仮題)
 座長:山本 信次(岩大)報告者
  土屋 俊幸(農工大)
   我々にとって国立公園とは何なのか?-地域制自然公園の意義と可能性-
  村串仁三郎(法大)
   1970年代初頭までにおける国立公園の〈保護と利用〉の対立
  愛甲 哲也(北大)
   国立公園の計画と管理の今日的課題—大雪山国立公園を事例とした検証-
  三浦 大介(神奈川大)
   自然公園における地熱開発の法的課題
 コメンテータ:下村 彰男(東大)

3.趣旨

 本学会が、2006 年 11 月に林業経済研究所との共催によるシンポジウム「国立公園と森林管理-その成立、理念と実際-」を開催して以来 7 年を経過した。
 この間、行政サイドでは、三位一体改革路線のもとで、「国立・国定公園の指定・管理運営検討会」(環境省、2006 年~)による検討を経て、2010 年 4 月の自然公園法改正(目的に生物多様性を追加)、さらに 311 震災(2011 年)以降の新たな動き、2013 年 11 月のアジア国立公園会議の国内開催、といった一連の動きが進行中である。
 研究者サイドからは、三位一体改革による都道府県への権限移譲に伴う管理の脆弱化と公園内地種区分の非合理性、公園内におけるリスク管理の責任分担、管理の多目的化と費用負担、エネルギー問題や三陸復興との関連、世界遺産やエコパークを含む他の諸ゾーニングとの関係、環境省の予算人員の制約や人材育成問題、等々、社会的ニーズの変化への対応に伴うさまざまな論点が提起されているものの、制度の枠組みから現場レベルの管理にいたるまで、なお多くの問題を抱えているのが実情である。 
 国立公園は、非生産的な(伐境にまたがる)林地、とりわけ国有林を多く内包し、こうした林地の利用と保全にかかわる制度的・地域的問題が凝縮されている。地方分権化の是非、目的の多様化、多主体の連携、人材の確保・育成といった、森林や地域の管理および地域振興一般に通底する諸問題を、一定の範域を対象として議論できる利点は大きい。また、環境省を中心とした行政側の動きが活発化するなかで、研究者の側から批判的な論点提示を行う社会的意義も少なくない。
 土屋氏による枠組み提示に続き、村串氏による自然保護と観光開発の対立の歴史的実証、愛甲氏によるニーズの変容と現場との乖離に関する具体的問題の提起、三浦氏によるエネルギー利用を含めた法的問題の提示、行政サイドの動きにもかかわってきた下村氏のコメントを得て、上記の課題に対する活発な議論の場としたい。
 従来国立公園の「管理」(志賀和人のいう経営 Betrieb/行政 Verwaltung の違いに留意)という場合、しばしば、公園管理の技術的側面(地種区分やそれに応じたニーズへの対応)と、より大きな枠組みとしての制度的側面とが、混同されるか、個別に議論されてきたきらいがある。本シンポジウムでは「管理」概念そのものも議論の対象としたい。

お問い合わせ: 2014_spring#jfes.org
      (担当:古井戸宏通。#は@に変えて下さい)

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