第28回 研究会Box:越境する山村研究の現在(2013年度 日本村落研究学会 関東地区研究会)

日時:2014年3月31日(月曜日)14:00~18:00
会場:明治大学リバティタワー(駿河台キャンパス)8階、1084教室

報告:
1.山下詠子(日本学術振興会)「入会林野の現代的変容」
2.柴崎茂光(国立歴史民俗博物館)「保護地域の登録・指定が地域社会に及ぼす影響 -屋久島を事例として-」
コメンテーター:佐藤真弓(明治大学)、土屋俊幸(東京農工大学)、福田恵(東京農工大学)

テーマと概要:越境する山村研究の現在
今回の研究会では、学問的越境のただ中にある「山村」の研究状況を問い直したいと思います。その際、二つの系から議論を展開したいと考えています。一つは、伝統的な入会林野論とその延長にあるコモンズ論であり、今一つは、林業とは異なる山林原野の活用に着目し、観光、ボランティアなどの論点導入を図ってきた研究動向です。前者は、共同体・村落・総有を起点としながら、住民が生み出す生活・環境・記憶・身体など、山村理解の「深さ」を追究したのに対して、後者は、市民・運動・参加などをキー概念に据えつつ、ツーリズム、ボランティア、都市農村交流など、山村の関係性の「広さ」を捉えようとしてきました。
これに関する二つの報告を受けながら、農業農村をベースに据えた村落研究・農村社会学・農業経済学と、林業山村をベースに据えた林業経済研究・林政学等の視点を交錯させることにより、「山村」をめぐっていかなる学問的越境が図られているかを検討したいと思います。そうした「越境」によって、現在の厳しい山村の問題状況をいかに乗り越えうるのか、農村住民と都市住民の連携・関係形成をいかに成りたたせるのか、また「山村」はいかなる社会的人間的な豊穣性を内蔵しているのか等の諸点について、分野を超えた意見交換ができればと考えています。

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