林業経済学会2006年春季大会シンポジウム

2006年春林業経済学会・森林計画学会
合同シンポジウム実行委員会

1.日程・会場等

○日時:2006年 4月4日(火)
 10:00~17:00 シンポジウム(メディアホール)
 17:00~18:00 林業経済学会総会(メディアホール)
       森林計画学会総会(402教室)
 18:00~20:00 合同懇親会(レストランすずしろ)
        一般:4000円 学生:2000円
○場所:東京農業大学世田谷キャンパス

2.シンポジウムスケジュール

統一テーマ:「森林資源の成熟下における民有林の課題」
9:30 開場
10:00 開会(趣旨説明)
10:10~10:30 天竜林業の現状と課題
 青山喜宥氏(天竜森林組合)
10:40~11:10 森林認証制度と民有林経営の方向
 白石則彦氏 (東京大学大学院)
11:10~11:40 これからの私有林政策のあり方と課題
 駒木貴彰氏(森林総合研究所)
11:40~12:10 地域林業経営を支援するための論理
 箕輪光博氏(東京農業大学)
12:10~13:30 コメント(座長2名からのコメント)
12:30~14:00 昼食
14:00~15:30 質疑応答
15:30~15:45 休憩
15:45~17:00 質疑応答
17:00~18:00 総会
18:00~20:00 合同懇親会 (レストランすずしろ)

3.趣旨

 2006年は、わが国が第二次世界大戦に敗北してから61年目に当たる。戦後60年における日本資本主義は、最悪な状態からの経済復興に始まり、大量生産大量消費にる高度経済成長期、高度経済成長の破綻におけるハイテク産業への産業構造の確立期、金融資本によるバブル経済期、バブル経済の破綻以降の低成長期、そして、現在の財政破綻による深刻な経済低迷と環境問題というように極めてドラスティックに展開してきた。
 そのような中で、わが国の森林・林業、とりわけ民有林は、大きく4つの段階に整理することができる。それは、①戦後の復興造林の時代、②拡大造林政策によってスギ・ヒノキを中心に進められた造林時代、③要造林地の減少や強まる外材依存の中での間伐など保育の時代、そして④新たな森林・林業基本法下において成熟期に達している現在の段階である。
 戦後の民有林は、戦後の造林政策によって懸命に造林してきた。そして、その人工林が正に伐期を迎えようとしているときに、木材貿易のWTO路線や森林・林業基本法に明らかなように、森林整備あるいは森林利用の新たな展開となっており、木を伐りたくとも伐れないとか。新たな森林整備のための具体的な施策が見えにくいことなどから、森林の管理問題が発生している。今後、民有林は国民経済のためにどのように整備し、管理するのか大きな課題となっている。
 以上のことをふまえて今回のシンポジウムでは、これからの森林利用はどうあるべきなのか、そのための森林整備や森林計画のあり方は何か、また、戦後における民有林政策の評価とこれからのあり方について、林業経済学会と森林計画学会の合同シンポジムウムを開催し、議論を深めるものである。
 具体的には、まず、天竜森林組合長の青山喜宥氏から地域林業の現状と課題について、林業・木材産業をめぐる様々な諸環境の変化の中で、森林資源は成熟期を迎えている。流域管理システムの効力がほとんど発揮されない中で、これからの地域林業はどのような舵取りが必要となっているのか。その実態と課題について明らかにしていただく。また、市町村合併にともなってどんな問題があるか。など、地域林業をめぐり現状と問題点さらには具体的な政策課題などのあり方について、今までの経験を中心にお話しいただく。
 次いで、民有林経営の問題については東京大学の白石則彦氏から、これからの森林整備と森林計画のあり方について、わが国の民有林経営は林業経営原則にしたがって森林を管理してきた。戦後における民有林経営は、木材生産を優先とした森林計画が推進されてきた。そうした中で、林業経営は、森林認証性など新たな転換期を迎えている。民有林経営において森林認証制度はどのようにあるべきなのかについて論じていただく。
 さらに、民有林政策の問題については、森林総合研究所の駒木貴彰氏から、これからの民有林政策のあり方と今日の課題について、戦後におけるわが国の林業経営は基本的には資本主義的生産関係において展開してきた。しかし、これまでの間に幾つかの政策転換があり、林業政策に翻弄されながら大きく縮小しているようにみえる。こうした中で、わが国の林業政策、とりわけ民有林政策の展開課程を整理し、今日の森林資源現況を鑑みて、その問題点とあり方について論じていただく。
 そして、東京農業大学の箕輪光博氏には、これからの森林利用と森林管理問題について、わが国が進めてきた森林経営学との関わりで整理しながら、民有林をどのように位置づけ、どのように管理するのかなど、林業経営学から森林経営学への転換をふまえて論じていただくこととした。
 なお、座長は、林業経済学会長 餅田治之氏(筑波大学)と森林計画学会長 高橋教夫氏(山形大学)にお願いした。
 皆様の積極的な参加をお願いする次第である。

※会場へのアクセス等は東京農業大学のホームページをご参照ください。
http://www.nodai.ac.jp/campuslife/access/map_s.html

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