世界の木材貿易をみると、東アジアに位置する日本、韓国、台湾は木材輸入国・地域である。
木材自給率は日本30%、韓国17%、台湾1%であり、中国と合わせ東アジアは世界最大の木材輸入地域となっている。いずれも20世紀に深刻な森林荒廃に直面し、国家的に植林が推進されてきた。
森林荒廃は日本が太平洋戦争を遂行する中で進行し、韓国では朝鮮戦争、台湾は国民党政府による木材輸出推進策によって深刻化した。しかし、3国ともに近年戦後植林の人工林が徐々に利用可能な状況になっており、日本だけではなく、韓国、台湾でも木材自給率の向上が議論され、林業振興政策が進められている。しかし、アジアモンスーンという気候のため、草刈りなどの育林コストが高く、都市への人口集中で山村地域では人と土地の空洞化が懸念されている。
本研究会では、日本、韓国、台湾の林業振興策の展開とそれが森林所有や山村に及ぼす影響について報告と議論を行い、東アジアの森林・林業問題の共通性を探りたいと企画した。
科研研究の最終研究会であるが、オープンな会にして議論を深めたいと思います。参加をお待ちしています。
資料準備の都合上、出席希望の方は下記までご一報下さい。
□日 時:2017年3月18日(土) 13時~17時*終了しました
□会 場:九州大学箱崎キャンパス 21世紀交流プラザⅠ講義室B
(htpps://www.kyushu-u.ac.jp/f/28544/hakozaki_jp_2.pdf 左記地図の青39番の建物)
□参加費:無料
□プログラム
曾宇良(國立彰化師範大学)「台湾における木材調達方法の変遷と近年の森林・林業政策の変化」
笹田敬太郎(島根県中山間地域センター)「台湾における造林施策の展開にみる林業振興の特徴」
川﨑章惠(九州大学) コメント(台湾の林業労働力組織調査より)
崔洙林(韓国順天大学)「韓国における木材自給率向上政策の特徴と木材流通問題」
姜學模(韓国全北大学) 「韓国山村地域の森林所有の変化と山村問題〜第3回山村基礎調査の分析」
興梠克久(筑波大学) コメント(韓国の林業労働力確保支援策調査より)
三木敦朗(信州大学)「グローバル化による林野所有の変容」
佐藤宣子(九州大学)「森林経営計画制度認定の地域性から見える森林所有と素材生産の影響」
総合討論
□連絡先
九州大学 佐藤宣子
(E-mail:sato.noriko.842■m.kyushu-u.ac.jp)■は半角のアットマーク