1.日程・会場等
日時:2009 年 3 月 28 日(土)9:30~17:00
場所:京都大学「京大会館」
参加費(会場費,資料代等):社会人 1,500 円,学生 1,000 円
2.シンポジウム概要
大会シンポジウム統一テーマ : 21 世紀における持続可能性の新たな展開と森林資源問題―資源転換とプランテーション林業の行方―
座長(午前・午後とも):柿澤宏昭(北海道大)大会次第:
9:30~ シンポジウム開催趣旨の説明(2009 年春季大会運営委員会)
9:40~ 研究報告
1 立花 敏(森林総研北海道)「中国と韓国における森林資源の転換と木材産業の展開との関係」
2 増田美砂(筑波大)「インドにおける林地の画定と共同森林管理の実施を規定する要因」
3 大田伊久雄(愛媛大)「存在感を高めるヨーロッパの森林政策と持続可能な森林管理の広がり」
4 高橋卓也(滋賀県立大)「カナダの森林の持続可能性を巡る論議から見た日本の間伐問題」
12:00~13:30 昼食
13:30~16:30 パネルディスカッション形式による討議
パネラー:コメンテーター 岡裕泰(森林総研),各報告者
*時間配分には多少の変更も予想されます。
*1 シンポジウム終了後に,引き続き「学会賞・奨励賞授与式」,「総会」,さらに「懇親会」を予定しています。場所は,同じ京大会館内です。是非,ご参加下さい
*2 宿泊斡旋は致しておりません。学会のみならず,桜の季節とも重なります。京都市内のみでなく,JR・阪急・京阪・近鉄の各沿線にも目配り戴ければ幸いです。
なお、「林業経済・若手交流会」が日本森林学会・林業経済学会の期間中に、予定されております。詳細については、今後、交流会のメーリングリスト等によりお知 らせいたします。
3.趣旨
森林を含む地球資源の有限性を強く意識した 20 世紀の持続可能性概念が,現在,社会経済のより安定した仕組みの持続可能性を重視する考え方に進化している。
しかし,この間,先進国間のみならず途上国の一部において急激な経済成長がみられ,世界的な経済活動は拡大を続けている。その結果,資源確保のための競争が高まり,さらに経済成長が地域格差の拡大を伴うことから,持続可能性の実現はむしろ困難性を増したともみえる。
森林・林業をみると,森林の農地や工場用地等への用途転換を伴う森林開発は,決して後退したわけでなく,森林面積の減少傾向に歯止めは掛かっていない。しかし,世界的に産業用の木材資源利用における天然林伐採の制限は進んでいる。拡大する木材需要に対応して,新しい木材資源を人工林・再生二次林に求める動きが加速している。
こうした資源転換の途上にあって,森林・林業は持続可能性のあり方について錯綜 した現実に直面している。第 1 に,天然林利用の後退が森林保全につながる一方,発 展途上国の多くが農林一体の地域生活にあって,資源利用が生活に組み込まれている。そうした現実をふまえて,森林利用や転用の制限および分権化や私有化のメリットと デメリットを明らかにする必要がある。
第 2 に,人工林が産業的なプランテーションなど様々な形で拡大する中で,造林適地をめぐって,今後は食料や飼料の他,バイオ燃料生産との土地利用上の競合が激しくなる可能性が高い。人工林経営の多国籍化や投資信託化も進行している。持続可能な人工林利用のあり方について経営的あるいは政策的な検討が急がれる。
第 3 に,先進国にあって人工林化の先行する日本や EU 諸国の林業に与える影響である。資源的に優位に立っているとはいえ,企業的な林業生産よりも農家主体の林業生産あるいは公的な事業体による生産が卓越する現状にあって,必ずしもグローバルな人工林時代に適応しているとは限らない。針葉樹人工林から自然に近い森林管理への移行を検討すべき場合もあるだろう。
以上,本シンポジウムでは,各地域の現状と課題を明らかにし,さらに持続可能な 発展の観点から,今後,保つべき森林資源や林業生産の水準を踏まえ,国や企業,地 方,森林所有者,消費者などの各主体の役割などについて検討して,林業経済学会と して今後の取組むべき研究課題を明らかにしたい。なお,今回,各報告者をパネラー とし,さらにコメンテーターを加えたパネルディスカッション形式による討議を行い,相互の理解と課題の明確化を図りたい。
4. その他
理事会・評議員会・編集委員会等の日程
(1)編集委員会
3 月 26 日(木)10:30~ 京大北部キャンパス(今出川通り北側)農学部本館東館(地下)E020
(2)理事会
3 月 27 日(金)15:00~ 京大北部キャンパス(今出川通り北側)農学部本館東館(2 階)E220
(3)評議員会
3 月 27 日(金)18:00~ 京大北部キャンパス(今出川通り北側)農学部本館東館(2 階)E217