第57回 研究会Box:
 「カラマツの来た道」   
 (北海道森林管理研究会@宇都宮)

日時:2019年10月24日(木)14:00~17:00

場所:宇都宮大学農学部森林科学(宇都宮市峰町350)

趣旨
 明治後期から昭和初期生まれの人々とその子供世代は、戦後造成された人工林と密接にかかわってきた世代です。団塊の世代である子供世代は戦後人工林と同じ年齢で、その親は人工林を造成した世代であるからです。戦争の最中に青春期を送り、厳しい環境の中で戦後を伐り拓いた世代の多くは既に他界し、子供たちの世代も現役を退いて老境にさしかかっています。人工林資源の成熟期にあたり、その有効利用と再造林対策について活発な議論が交わされる中、人工林造成の背景とそこに生きた人々の足跡を辿ることは、持続可能な森林資源を利用する社会の仕組みを考えるうえで欠かせない重要な仕事です。
 小関隆祺北海道大学名誉教授は北海道林業をしてアイヌの人々が守ってきた資源を食い潰した「略奪林業」であると断じました。その苛烈な開拓の歴史の中で、信州から持ち込まれたカラマツは、開拓者たちによって植え育てられ大きくなりました。北海道林業は、略奪的採取林業から持続可能な育成林業への転換を模索し続けてきたといってよいでしょう。郷土樹種と並ぶ北海道民有林の代表的樹種として、“内地”都府県のスギ・ヒノキに関する議論と同等かそれ以上に、カラマツについて学会員の理解が深まって然るべきと思います。
 この度、北海道カラマツの“申し子”とも言える坂東忠明氏をお招きし、標記テーマで研究会Boxを開催することとなりました。小規模の研究会を予定していますが、興味のある皆さんのご参加を得て議論が深まることを期待しています。登壇者は次の通りです。 

講演「なぜ北海道はカラマツなのか」
  坂東忠明氏(北海道森林管理研究会・元北海道水産林務部) 
資料報告「北海道カラマツ人工林と道庁OBのライフコース」
  角谷黎氏(宇都宮大学大学院農学研究科) 

コメンテーター
  石井寛氏(北海道森林管理研究会・北海道大学名誉教授)
  山本伸幸氏(森林総合研究所) 

進行:山本美穂(宇都宮大学農学部)

 終了後、懇親会を予定しています。 

*本研究会は、科学研究費(基盤B)「世代間継承を折り込んだ地域森林管理方策の解明-ライフコース分析の応用-」(研究代表者:山本伸幸)の助成を受けています。

連絡先:山本美穂 mihoyama[a]cc.utsunomiya-u.ac.jp