第53回 研究会Box:

新たな国産材産地形成の現状とその意味について

 

日時:6月30日(土)13:00~17:00
場所:東京大学農学部1号館6番教室 
参加費:無料

趣旨
  今日のわが国における国産材の生産・流通の在り方は、かつて1980年代・90年代に「国産材産地」と言われた頃の生産・流通構造と比べると大きく変わってきています。この研究会は、その変化の実相と意味を考察することを目的としています。
  かつての国産材産地(旧産地)のイメージは、たとえばスギ材産地では岩手県気仙、宮城県津山、静岡県天竜、高知県嶺北、大分県日田、宮崎県耳川などの各地域が、ヒノキ産地としては岡山県勝山、高知県幡多・八幡浜、熊本県球磨地域などが浮かんできます。これらの国産材産地は、中小規模製材工場が多数立地し、近隣の原木市売市場あるいは国有林の公売・随契に原木を依存する形で、それぞれの地域毎に成立していました。
  しかし、これら旧産地は90年代の後半から縮小・衰退の一途をたどり、それと表裏をなす形で、2000年代に入る頃から、北海道東、南東北・北関東、南九州などにおいて、新たに大規模な国産材の生産・流通の構造が形成されてきました。これらの新産地は、旧産地が再編された形で形成されたものではなく、まったく新しいタイプの産地として構築されてきました。その新国産材産地の特徴を一言で言えば、かつての産地よりもはるかに広域的な規模で、製材・集成材・合板・プレカット・木質バイオマス発電などが錯綜しつつ、かつ相互の競争の中で形成されてきたものであると言えます。当然生産規模も大型化し、新たな流通・消費の仕組みを内包するものでした。
  本研究会は、今日日本国内に新たに形成されつつあるこうした国産材の生産・流通の仕組みが、何によってどのようにもたらされ、旧産地に対していかなる特徴と意味を持っているのかを明らかにしようとするものです。

報告者と報告テーマ
報告者①:山田寿夫(木構造振興株式会社) 
    「新たな国産材産地の形成-脱国産材産地について-」(仮題)
報告者②:坂野上なお(京都大学)
    「国産材産地の形成とプレカット」(仮題)
報告者③伊藤勝久(島根大学)
    「木材産業クラスターについて-新たな国産材産地の地域的集積-」(仮題)
座長:餅田治之(林業経済研究所)

本研究会のコーディネーター:林業経済研究所 餅田治之  mochida(at)kca.biglobe.ne.jp