2011年・西日本林業経済研究会in諸塚
「山村の真価を問う〜百彩の森林を舞台にヤマとマチが繋がる〜」

 昨年は宮崎県の畜産業を直撃した口蹄疫の影響で急遽予定を変更して九州大学の演習林で森林・林業再生プランの勉強会を開催したところ多数の参加、有り難うございました。今年度の西日本林業経済研究会は当初予定どおり、宮崎県諸塚村で開催しますので案内申し上げます。
 さて、東日本大震災は日本の社会システム、エネルギー政策、人々のライフスタイルなど根本からの問い直しを迫る転換的になると思われます。近年、「選択と集中」「計画的な撤退」といった言葉で、大都市集中を是認するような風潮が強まっていました。しかし、大震災によって、東京という大都市が東北地方に強く依存していること、地域の安全や安心がコミュニティによって支えられていること、歴史的な生活知を世代を超えて伝えることの重要性など、多くのことが明らかになりました。原発事故では、自然資源に強く結びついた第一次産業への取り返しのつかない甚大な被害も広がり続けています。こうした中で、私たちが研究フィールドとする森林・林業と山村の真価が改めて問われる、そうした時代状況にあります。
 林業経済学会で「諸塚」と言えば、1990年代まで農民的林業地、農林複合経営のメッカといわれ、その基盤に自治公民館という独自の住民組織が重要な役割を果たしていることが明らかにされてきました。確かに、長期の木材価格下落や公共事業の縮小、少子高齢化の波は諸塚村にも大きな影響を与えています。しかし、諸塚村では90年代後半からマチに情報を発信し、市民と繋がる様々な取り組みを展開しています。産直住宅を始めとして、古民家や伝統的な食・生活文化を活かしたエコツーリズムの展開、FSC森林認証およびカーボンオフセットとして取引ができる環境省によるJ-VER認証の取得などです。1997年に開始された九州限定の産直住宅は、以来15年で210棟以上の実績があり、継続することが難しい産直住宅の成功事例となっています。これは村の経済に大きな意味を持つようになると同時に、諸塚村の取り組みに共感する「よそ者」が増えることで村民の大きな自信に繋がっています。
 今回の研究会では「人口約1,800人の山村が、マチと繋がる様々な取り組みを行うことで山村の「真価」を発揮することができるのか?」「山村の真価とは何か?」を共に考え、議論する会にしたいと準備中です。その中で森林・林業再生プランの課題や東日本大震災によって改めて問われている地域社会の安全・安心についても議論したいと思います。
 7月8日(金)〜10日(日)に下記の要領で開催します。「諸塚村観光協会まちむら応縁倶楽部」の全面的なご協力によって、「諸塚・森のエコゼミナール」として3班に分かれての体験メニューを企画して頂けることになりました。積極的な参加をお待ちしています。
 なお、諸塚村は点在集落で構成されていますので、分散宿泊(2日目には合同懇親会)と村内移動は基本的にバスで行います。そのため、人数を予め確定しておく必要がありますので、6月20日(月)の期日迄に所定の用紙(ここをクリック)にて申し込みをして下さるようにお願い致します。
(2011年世話人 九州大学・佐藤宣子)

【日 程】平成23年7月8日(金)〜10日(日)

【プログラム】
8日(金)
11:00 JR日向市駅前集合(中型バス2台で移動・バス定員50名)
日向市内諸塚村産直住宅モデルハウス見学
http://www.vill.morotsuka.miyazaki.jp/10jyutaku/10_0802hyuuga.htm
13:00 諸塚村体育館着
村内森づくりツアー(3分科会・定員各25名)
※マイクロバスで分科会ごとに移動
16:00頃 分科会ごとの宿泊所到着

≪諸塚村内体験ツアー・宿泊≫
第1分科会:家づくりによる森づくり(産直住宅事業)
@木材加工センター A伐採現場 B小原井公民館で概要説明C森林所有者と意見交換
=宿 泊= 農家民宿(小原井集落)(4〜5人/件)*5件
第2分科会:低炭素社会に貢献する森づくり(森林認証とカーボン・オフセット)
@概要説明(諸塚村体育館) A認証製品とシイタケ見学Bモニタリング実習
=宿 泊= 森の古民家「やましぎの杜」 ※共同炊飯形式
第3分科会:交流事業による森づくり(自治公民館組織とエコツアー)
@概要説明(諸塚村体育館) A七ツ山山菜加工場で体験
=宿 泊= 農家民宿(七ツ山)(4〜5人)5件

9日(土) 08:00 宿泊所で食事と体験活動 ※10:00頃にバス移動
10:30 諸塚村中央公民館着 ワークショップ〜学生による分科会発表
12:00 昼食(しいたけの館21「どんこ亭」)
13:00 研究会:諸塚村の現状報告
「諸塚型産直住宅事業から見えてきたもの〜マチとムラを繋げる意義と課題〜(仮)」松下 修氏(松下生活研究所)
「ムラの環境史と獣害対策〜イノシシとの駆け引き〜(仮)」藤村美穂氏(佐賀大学)
「諸塚村における防災体制と消防団組織(仮)」笹田敬太郎氏(九州大学)
17:00 合同懇親会 中央公民館ホール 100名
※終了後、中型バス2台+ワゴン車で各宿泊所に移動
宿泊:池の窪グリーンパーク・森の古民家「へいだの里」・「六峰館」
10日(日) 08:00 朝食(各宿) 中型バス2台移動

09:00 諸塚村体育館着 パネルディスカッション
「山村の真価を問う〜百彩の森林を舞台にヤマとマチが繋がる〜」(報告者とゲストによる討論)
12:00 昼食(山菜弁当)
13:00 解散(※中型バス2台で移動)
14:00 JR日向市駅着

【集合場所】
7月8日から参加の場合:
@11:00 JR日向市駅前
A12:20 諸塚村中心部(昼食必要な方)※場所の詳細は後日お知らせします
B13:00 諸塚村中心部(昼食不要な方)※場所の詳細は後日お知らせします
*昼食は、お弁当(お茶付)をご用意します。
*分科会に途中参加の方は別途、ご相談下さい。
7月9日から参加の場合
10:30 諸塚村中央公民館
交通アクセス情報
http://www.vill.morotsuka.miyazaki.jp/12access/12access.htm

【参加費】(参加者の人数・構成で若干の変更可能性あり)
社会人:26,000円(2泊7食)、14,000円(1泊4食)
学 生:17,000円(2泊7食)、9,000円(1泊4食)
*全てバス代・懇親会費込み

【参加申し込み】
添付の参加申込書に記入の上、6月20日(金)までに下記のEmailまたはFAXで連絡して下さい。1日目の希望分科会については、必ず第2希望まで記入をお願いします。

【申込・連絡先】
九州大学 森林政策学研究室(佐藤又は川崎)
Email:nishinihon2011★gmail.com
(★は半角の@)
TEL・FAX:092-642-2877

※当日連絡先 
佐藤携帯 または
諸塚村しいたけの館21(諸塚村観光協会事務局):0982-65-0178

【地図】諸塚村内地図
※しいたけの館21と諸塚村中央公民館は隣接しています。
★2011年度西日本林業経済研究会の情報ページ
URL http://d.hatena.ne.jp/rinsei/20110708
※順次情報を掲載します。