シンポジウム開催のお知らせ

森林資源の多様性と山村再生

−「森林・林業再生プラン」の国民的議論を−

 

現在、政府では、「森林・林業再生プラン」の検討が行われており、6月には中間とりまとめが発表され、政策の具体化が進められています。周知のように、「プラン」では、10年後の木材自給率50%を目標として、主に供給側の諸制度の改編によって林業の再生を図ろうとしています。

 しかし、この一連の政策転換の試みで目指されているのは、針葉樹人工林からの木材生産という狭義の「林業」の再生であることに注意する必要があります。確かに、森林資源の持続性の確保という観点から、森林計画制度の充実やフォレスター制度の創設などの施策は盛り込まれていますが、それらはあくまでも木材生産の増大との関連から検討されているのであり、森林・林業の基盤としての山村の再生は間接的にしか考慮されていません。

 今日、森林が社会で注目されている背景には、木材資源としての側面だけでなく、いわゆる「緑のダム」機能、生物多様性、レクリエーション利用、地域文化との関わりなど、多様な観点から森林資源の価値が評価されるようになったことがあります。そして、そうした多様な資源としての森林の維持のためには、資源維持の基盤としての山村がしっかりと存続していることが必要です。しかし、山村における過疎・高齢化の進行は、獣害の激化などもあり、一部で「限界集落」という「流行語」を生み出すまでに深刻化しています。こうした中で、もう一度森林資源の多様性を認識し、その機能を十分に発揮させる試みを続けることを通じてこそ山村の再生が可能と思われます。また、そのことは、本年、名古屋での生物多様性条約第10回締約国会議開催に象徴されるような世界的課題としての生物多様性保全にも大きく貢献すると考えられます。

 今回のシンポジウムでは、森林・林業再生プランの論点について報告のあと、多様な森林資源の機能の利用・発揮の試みの事例を各報告者から提示いただいた上で、山村再生に向けての現状の課題と今後の方向性について議論したいと考えています。

   

《次  第》

日時:平成22925日(土)130018:00

場所:東京大学 弥生講堂 一条ホール(懇親会共)

報告者(ご報告順):

山本 美穂氏(宇都宮大学農学部森林科学科准教授)

小寺 祐二氏(宇都宮大学農学部付属里山科学センター特任助教)

蔵治 光一郎氏(東京大学大学院農学生命科学研究科附属愛知演習林講師

(愛知演習林長))

田爪 弥栄氏(全国林業研究グループ連絡協議会会長)

渋澤 寿一氏(山村再生支援センター副代表)

座長 宮林 茂幸氏(東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科教授)

 

  参加自由(無料)

  終了後1800より懇親会を予定しております。

 

〔主催〕シンポジウム実行委員会(林業経済研究所企画委員会併任)

土屋俊幸(委員長、東京農工大学教授)、久保山 裕史(森林総合研究所主任研究員)、関 良基(拓殖大学准教授)、山本美穂(宇都宮大学准教授)、永田信(東京大学教授)、餅田治之(林業経済研究所所長)、大塚生美(林業経済研究所研究員)

 

〔事務局・お問い合わせ先〕

財団法人林業経済研究所(餅田・大塚)

113-0034 東京都文京区湯島1-12-6 高関ビル3A      

TEL03-6379-5015FAX03-6379-3210

Eメール:office★rinkeiken.org (★は半角の@)